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甘城ブリリアントパークから読者(おっさん)へのダイレクトアタック!!

先日、甘城ブリリアントパークの新刊が発売された。

寂れて潰れかけたテーマパークの甘ブリで、元天才子役で現役高校生の可児江西也が支配人となり、復興を目指す物語だ。

 

現代ものと思いきや、園のスタッフが魔法の国の住人であるなどファンシーな要素もある。

客に手を挙げるお菓子の妖精モッフル

バツイチで子供の養育費に頭を抱える音楽の妖精マカロン

客に性的な意味で手を出すお花の妖精ティラミー。

おっさん臭いゲスコットの存在が許されるライトノベル、なんとメルヒェン。大好き。

 

昨今のライトノベル要素として、幼い盲目の姫ラティファやわがままボディの近衛銃士などもちゃんと完備している。(表紙参照)

 

 

特に銃士の千斗いすずは、アニメーションを揺らす派(原作者)と揺らさない派(監督)の争いを巻き起こし、大量の薄い本を生んだ。記憶にある人もいるだろう。

 

その甘ブリ新刊で、可愛らしいバクがこんなことを言う。(以下、引用)

 

 「十七歳の、あなた。一日四時間の睡眠でも、平気なあなた。新しいアプリの使い方も、すぐに飲み込めるあなた。毎日コンビニの弁当を食べていても、体調を崩さないあなた」

 「なにがあっても、明日は今日より良くなると信じているあなた。強靭な肉体で、世界はすべて自分の味方で、こんな正しい自分には、病気もケガも無縁だと思っている……そんな、あなた」

 「そんなあなたの力も、いずれは衰えるばく。魔法がいつまで使えるのかもわからない。頼れる仲間も、いずれは去っていくばく」

 (甘城ブリリアントパーク 8巻 P.203より)

 

ライトノベルのメインターゲット層は「まあそうかもね」ぐらいに考えているのだろう。

しかし、この言葉はおっさんにグッサリきた。

 

日がな一日中椅子に座って仕事をする自分。

座りっぱなしで、腰が痛くなってきて、筋トレを始めた自分。

明日は今日より良くなるという確信がない自分。元々体力がないところに加齢による衰えが加わり、酒を飲みすぎた次の日や体の痛みやがあった時に、病気やケガがあるのかと不安になってしまう自分。

なんか書いてると悲しくなってくる…と思ったが、不安要素を書き出すと逆に落ち着いてきた。

 

おっさんにダイレクトアタックをかましてくる甘ブリ。

賀東招二の作品は中学生のころから読んでおり、未だに作者買いするぐらいに好きだ。その人が書いた実感がこもった文章。

要するに、作者はおっさんよりおっさんなのである。先人の言葉。

 

安定を求めるのもいいだろう。

だけど、安定を求めるだけでは、みじめな生き方に落ちてしまうこともある。

高校生の可児江くんのように若くはないが、それでも今の自分にも選べることがある。

明日が良くなる確信がないのなら、明日を良くするために進もう。