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遥か凍土のカナン

 

遙か凍土のカナン7 旅の終わり (星海社FICTIONS)

星界社FICTINOSをご存知だろうか。

月半ばに発売されるライトノベル(異論は認める)のレーベルである。

近くの書店にはろくに入荷されず、あったとしてもメディアミックス作品ぐらいしか置いていない。

そのため大型書店に行くのだか、梅田周辺でも紀伊国屋か泉の広場近くのBOOK1stにしか欲しい本がない、なんてことがしばしばある。

そこにもなかったら難波のメロンブックスにまで足を延ばす。何故かそこでは山積みされて置いてあることが多い。

挿絵はフルカラーで5ページだが値段は1300前後とお高い。

そんなレーベルから発売されているのが著:芝村裕吏の「遥か凍土のカナン」である。

 

重苦しい日露戦争真っ最中の話から始まった本作。

戦争も終わり出世の見込みがない騎兵大尉の新田良造。結婚しようとしてた女が若い男に揉まれているのを見て捨て鉢になっていたところ、ロシアからの独立を夢見るコサックの姫がやってきた。とりあえず国に送り届けようとしたら諜報機関からついでに日本の支援国家を作ってこいと密命を与えられる。

 

旅の途中で知り合ったのは親父が金持ちのユダヤ人や陽気なコサック、無職共産党プーチンや銀行強盗ヨシフおじさんなど、いろんな人から怒られそうな面々である。

 

物語は諸国漫遊の前半からそんな彼らとの国作りに徐々にシフトしていく。

国がどうなるかは同作者の別シリーズ「マージナル・オペレーション」 外伝からある程度は読み取れるのだが、それでもどうなるかは気になるもの。 

 

最終巻となる7巻においてその結末が語られる。

国作りゆえに何年云十年とかけて綴られた物語。出会えたことに感謝を。

 

 

 

遙か凍土のカナン1 公女将軍のお付き (星海社FICTIONS)

遙か凍土のカナン1 公女将軍のお付き (星海社FICTIONS)